江戸から明治まで、花街として栄えた京都・島原の面影を残す「角屋(すみや)」。
「輪違屋(わちがいや)」「大門(おおもん)」とともに往時をしのばせる、数少ない貴重な場所です。新選組の隊士や西郷隆盛、坂本龍馬らも利用したことがあるため、幕末好きな方からも人気のある美術館ともなっています。
今回の記事では、
- 角屋もてなしの文化美術館と新選組の歴史
- 角屋もてなしの文化美術館の見どころ
- 実際に行った方の感想
などを紹介していきます。
当時の面影をそのまま残す、重要文化財でもある「角屋もてなしの文化美術館」。ぜひ楽しんでみてください!
角屋もてなしの文化美術館とは?
角屋もてなしの文化美術館は、かつて「揚屋(あげや)」と呼ばれる料亭でした。
どんな歴史を持っているのか、また新選組とどのような関わりがあるのか、詳しく解説していきます。
角屋もてなしの文化美術館の歴史
角屋は江戸時代から続く歴史ある場所で、島原の開設とともに長年、家や建物を守り続けてきました。
この場所は、かつての賑わいを今に伝える揚屋建築の貴重な遺構として、1952年には国の重要文化財に認定されています。
揚屋というのは、おもてなしを行う業として知られ、現代でいう料理屋や料亭に相当します。特に、大きな座敷が庭に面しており、茶席が設けられたり、庫裏に匹敵する大きな台所があるのが特徴です。
美術品の中には、1983年に重要文化財に指定された「紅白梅図屏風」も含まれます。1989年には保存活動を目的とした財団が設立され、角屋は文化財としての保存と活用が行われてきました。
1998年には、美術館として一般に公開されるようになり、2010年には庭が京都市の名勝に指定されました。
角屋もてなしの文化美術館と新選組
この美術館の壁には、新選組との血塗られた歴史も刻まれています。
新選組の隊士たちが訪れたことで知られており、中でも初代筆頭局長・芹沢鴨との繋がりは深いものがあります。彼の暴挙の痕跡が、今も入口近くに残る刀傷として目撃できるのです。芹沢は、その後内部の争いによって命を落としましたが、その最後の晩餐が催されたのもこの角屋だったと伝えられています。
この歴史の一端を今に伝える角屋は、新選組という時代を象徴する組織の息吹を今に感じさせる場所となっています。芹沢の物語だけでなく、多くの隊士たちの足跡が、訪れる人々に語りかけるのです。
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角屋もてなしの文化美術館の詳細情報
角屋もてなしの文化美術館の営業時間や入館料、アクセス情報を以下にまとめました。
開館日・営業時間
休館日 | 毎週月曜日 (祝日の場合は開館、翌日が休館) 12月16日~3月14日 7月19日~9月14日 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
見学時間 (1階) | ・1回目:10:30~ ・2回目:11:30~ ・3回目:12:40~ ・4回目:13:30~ ・5回目:14:30~ ・6回目:15:30~ (所要時間:30分) |
見学時間 (2階) | ・1回目:10:15~ ・2回目:13:15~ ・3回目:14:15~ ・4回目:15:15~ (所要時間:30分) |
2階は各回20名までの予約制で、事前に電話で申し込む必要があります。空きがあれば当日見学もできますが、確実に見学したいなら予約必須です!
※2階のみの見学は不可です
入館料
- 1階
一般 | 1,000円 |
中高生 | 800円 |
小学生 | 500円 |
- 2階
一般 | 800円 |
中高生 | 600円 |
小学生 | 見学不可 |
アクセス
住所 | 〒600-8828 京都府京都市下京区西新屋敷揚屋町32 |
アクセス | ・JR「丹波口」「梅小路京都西」より徒歩約7分 ・市バス「七条壬生川」または「島原口」より徒歩約10分 |
角屋もてなしの文化美術館の公開エリア
角屋もてなしの文化美術館にはどのような部屋があるのか、ご紹介していきます。
1階エリア
1階エリアは予約不要で見学できます。ガイドの案内とともに、以下のような部屋を回ります。
展示室
ここはガイドとは別に、個人で自由に見学できます。
台所
揚屋ならではの広い台所です。
西郷隆盛が行水に使用したタライや、新選組掛売禁止の古文書を見ることができます。
大座敷松の間
1階の中でも広い面積を誇る大座敷松の間。
縁側からは「臥龍松の庭」「茶室 曲木亭」「清隠斎 茶席」を見ることができます。
ちなみにこの部屋は一度再建しており、重要文化財ではなくなったため空調をつけることが許されているそうです。
新選組の芹沢鴨が暗殺される直前に宴会を開いたお座敷ということで、新選組ファン必見の間でもあります。
網代の間
天井板を網代組にしていることから「網代の間」と呼ばれています。
島原文芸資料室
角屋所蔵の文化財の見学ができます。
与謝蕪村筆「紅白梅図屏風(重要文化財)」もここに展示されています。
2階エリア
2階エリアは予約必須です。写真撮影はできないため、見学したら脳内に記憶しましょう!
緞子の間
2階の主座敷であり、襖が緞子張りであることから「緞子の間」と呼ばれています。
座敷内に足を踏み入れることはできず、翠簾の間から見学します。
翠簾の間
襖が山田峨山による「総翠簾の図」であることから「翠簾の間」と呼ばれています。
扇の間
天井に58枚の扇が貼られていることから「扇の間」と呼ばれています。
草花の間
襖が山田峨山による「四季草花の図」であることから「草花の間」と呼ばれています。
馬の間
襖が円山応挙による「少年行の図」であり、馬が描かれていることから「馬の間」と呼ばれています。
桧垣の間
天井と障子が桧垣組であることから「桧垣の間」と呼ばれています。
青貝の間
壁や建具など、いたるところに青貝が散りばめられていることから「青貝の間」と呼ばれています。明かり窓やベランダなどは、異国趣味の強い座敷です。
角屋もてなしの文化美術館の見どころ
角屋もてなしの文化美術館の見どころをご紹介します。
新選組の刀傷
角屋もてなしの文化美術館には、緞子の間や青貝の間、そして前庭の柱に、新選組の隊士たちが残したとされる刀傷が今も残っています。
これらの傷は、幕末の動乱の時代を今に伝える貴重な証拠です。その一つ一つの傷から、当時の情景や新選組の隊士たちの生き様を想像することができるでしょう。
青貝の間などは非常に優れた技術の結晶とも言える空間ですが、そんな場所に傷をつけるなんて……と思ってしまいました。けれども新選組ファンとしては、そんなやんちゃな跡が見られるのも嬉しいものです。
臥龍松がりょうしょう
角屋の庭には、特徴的な臥龍松があります。
この松は、龍が天に昇るような姿をしており、庭園の美しさを一層引き立てています。かつては一本の松でこの姿が表現されていましたが、昭和時代に枯れてしまったため、現在は三本の松で当時の雄大な姿を再現しています。
この臥龍松は、美術館を訪れた人々にとって、自然の芸術を感じさせる特別な存在です。
青貝の間
角屋の中で最も豪華なお座敷である「青貝の間」は、螺鈿細工が施された部屋として知られています。
この螺鈿細工は、現代では再現不可能な技術によるもので、壁一面に施された繊細な装飾は見る者を魅了します。しかし、ロウソクの煤で壁が黒ずんでおり、本来の美しい浅葱色は見ることができないのが現状です。
この部屋は、かつての豪華さを偲ばせるとともに、時の流れを感じさせる空間となっています。
角屋もてなしの文化美術館に行った方の感想
実際に角屋もてなしの文化美術館に行った方の感想を紹介します。
江戸時代の優れた技術を堪能できる角屋もてなしの文化美術館。2階は写真に収めることはできませんが、だからこそいっそう印象深い記憶となるのでしょう。
私は新選組の史跡として訪れたのですが、新選組抜きにしても非常に満足度の高い体験ができました。ガイドさんによっても違う説明が聞けるようなので、何度も訪れたい場所の一つです。
角屋もてなしの文化美術館にお得に行く方法とは?
車で行く場合の駐車場はどうしたらいい?
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京都には、新選組の史跡や歴史的建造物がたくさんあります。
ぜひゆっくりと堪能してみてくださいね!
角屋もてなしの文化美術館で江戸を感じよう
今回の記事では、角屋もてなしの文化美術館の歴史や見どころ、実際に行った方の感想などを紹介しました。
江戸時代から明治時代のすばらしい技術を今に残す角屋もてなしの文化美術館は、歴史好きな方、新選組好きな方、美術が好きな方全てにおすすめのスポットです。
京都には他にも、数多くの史跡が残されています。ぜひゆっくり時間を取って、その歴史を肌で感じてみてください!